日傘を購入する際に、UVカット率を重視する人は多いかもしれませんが、同じくらい遮光率を気にしている人も多いのではないでしょうか。最近は「遮光率100%」と記載のある日傘も登場しています。
ただ、日傘における遮光率とはどういったものなのか知っている人は少ないかもしれません。この記事では遮光率とは何か、遮光率の高い日傘を正しく選ぶポイント、日傘の正しい使い方について紹介します。
遮光率について知りたい人、遮光率の高い日傘を選んで正しく使用したい人はぜひ最後までご覧ください。
日傘における「遮光率」とは?
日傘における遮光率とは、日傘を使用することで太陽光をどの程度遮るのかを数値化したものであり、%(パーセント)で表現されます。遮光率が高い程、太陽光を遮ってくれる効果が高いため熱がこもりにくく、紫外線防止だけではなく熱中症対策としての効果も期待できます。
遮光率は、日傘を購入する際に太陽光をどれだけカットしてくれているかを分かりやすく伝えるための指標であり、日本工業規格(JIS規格)試験に基づいたものです。遮光率によって日傘の呼び方や表記も変わる場合があります。
遮光率の違いによる呼び方の違いは以下の通りです。
- 遮光率99%以上の日傘を「遮光傘」
- 遮光率99.99%以上の日傘を「一級遮光傘」
遮光率100%=完全に紫外線カットができるわけではない
「遮光率100%」や「完全遮光」といった記載があると、紫外線も完全にカットしてくれると思うかもしれません。しかし、それは間違いです。遮光率100%や完全遮光は「太陽光を100%、完全に遮る」といった意味で、「紫外線を100%、完全に遮る」とは少し違います。
また、太陽光や紫外線は上から降り注ぐものだけではなく、コンクリートや建物からの照り返しによる反射光(紫外線を含む)もあり、こちらは日傘だけでは防げません。しかも、反射光は傘の内側で反射して顔付近に集中してしまいます。
反射光は太陽光を直接浴びるよりは紫外線量は少ないですが、反射光にも多少紫外線は含まれているため、長時間晒されてるとシミやたるみなどの原因になります。
現在販売されている日傘は基本的に上から降り注ぐ直射日光を含む紫外線などを予防するためのものであり、完全に紫外線を予防できる日傘はありません。そのため、遮光率100%の日傘を使用しても紫外線を完全に防げているわけではない点を理解し、日焼け止めクリームなどの日傘以外の紫外線対策も行いましょう。
遮光率が高い日傘を正しく選ぶポイント
遮光率が高い日傘を正しく選ぶ際には、知っておくべきポイントがあります。
- 一級遮光日傘と記載があるものを選ぶ
- レースや刺繡多いの日傘は利便性も含め検討する
- 日傘の内側は黒
- 遮光コーティングと遮光シートを知ったうえで選ぶ
- 証明書やテスト結果が公開されている
それでは、それぞれのポイントについてくわしく紹介していきます。ここで紹介するポイントに注意して、できるだけ直射日光や紫外線を浴びないようにしましょう。
一級遮光日傘と記載があるものを選ぶ
一級遮光日傘と記載があるものは、遮光日傘よりも遮光率が高く日本工業規格などの第三者機関で遮光率が99.99〜100%であると立証された証拠です。
「完全遮光」の日傘も遮光率100%と間違えてしまう人も多いかもしれません。しかし、「完全遮光」と記載されている日傘は日本工業規格試験に基づいている言葉ではなく、傘メーカーが使い始めた言葉です。
しかし、完全遮光と記載がある日傘の多くは、実際に遮光率100%の生地を使用しており、遮光率は十分高いと言えます。公式ホームページや売り場に記載されている自社での実験結果などをしっかりと記載しているブランドやメーカーであれば、購入を検討しても良いでしょう。
レースや刺繡多いの日傘は利便性も含め検討する
日傘の魅力の一つに、雨傘にはないレースや刺繡などのデザインの豊富さがあります。ただ、遮光率100%の生地を使用しても、レースや刺繡部分は遮光率が弱くなってしまう場合があります。
レースや刺繡などが施された日傘は見た目がかわいく、女性から人気が高いですが、遮光率を重視したい場合は注意が必要です。遮光性を重視するとレースや刺繡の入ったかわいいデザインの日傘は難しくなります。日傘を選ぶ場合には、デザイン性を重視したいのか遮光率のような機能性を重視したいのか優先度をつけるようにしましょう。
日傘の内側は黒
遮光率100%の傘は、上から降り注ぐ太陽光や紫外線には有効です。一方でコンクリートなどから反射してくる反射光や反射光に含まれる紫外線は防げないデメリットがあります。
日傘の内側が白などの明るい色は反射光がより乱反射を起こし、紫外線のダメージを肌に届けやすくなってしまいます。反射光からのダメージを少しでも軽減したい場合、日傘の内側は黒などの暗い色がおすすめです。暗い色は、紫外線を乱反射させず吸収してくれるためダメージを軽減してくれます。暗い色のなかでも、最もおすすめなのは黒です。
遮光コーティングと遮光シートを知ったうえで選ぶ
日傘の遮光効果は、遮光コーティングと遮光シートのどちらかが利用されている場合が多いです。遮光コーティングは日傘の裏側に遮光効果のあるスプレーが塗布されており、遮光シートは遮光機能のあるシートを使用します。どちらも遮光効果がある点は同じですが、それぞれにメリット・デメリットがあります。
遮光コーティング | 遮光シート | |
メリット | ・安価でコスパが良い ・生地が薄く軽い | ・耐久性が高い |
デメリット | ・コーティングが剥がれて遮光率が落ちる場合がある | ・高額になりやすい ・使用する遮光シートによっては分厚く重い |
遮光コーティングと遮光シートでは、遮光率に違いはなく十分な遮光効果があり、どちらも使い続けていると経年劣化で遮光率が落ちてしまう場合があります。最近は遮光率を復活させる遮光スプレーも販売されています。
1つの日傘を長く愛用する場合は、雨傘同様に定期的なお手入れが必要です。また、最近は耐久性の高いラミネート生地を使用した日傘も登場しています。
それぞれのメリット・デメリット、遮光スプレーなどのお手入れ用品などを知ったうえで自分に合う日傘を探してみましょう。
証明書やテスト結果が公開されている
「遮光率100%」と勝手に記載することは可能です。だからこそ、本当に遮光率100%を誇っているのか第三機関が試験を行った証明書やメーカーの試験結果などは必ず確認しましょう。
きちんと試験をおこなっているブランドやメーカーは公式ホームページなどで証明書や結果を詳細に記載しています。遮光率の高さは、見た目だけではどうしても分からない部分です。必ず公式ホームページなどで証明書などの有無を確認しておきましょう。
日傘の正しい使い方
夏になると多くの人が使用している日傘ですが、意外と日傘の正しい使い方を知らない人が多いのではないでしょうか。いくら性能の高い遮光率100%の日傘を使用しても使い方を間違えていると、せっかくの性能を十分に享受できないかもしれません。
日傘の正しい使い方は以下の通りです。
- 日傘は太陽光を遮るように
- 日傘は短く持つ
- 常に日傘を使用する
- 日傘以外の紫外線対策も併用する
- 日傘の寿命は約2~3年
それでは、それぞれ詳しく見ていきましょう。
日傘は太陽光を遮るように
基本的に日傘は太陽光を遮るように持つようにしましょう。たまに肩に日傘をかけるように持っている人がいますが、太陽光や紫外線が顔や手に降り注ぎ日傘の意味が十分ではありません。
太陽光を遮るように太陽の方に日傘を向けて持つことを意識してください。そうすると、日傘を手首だけで支えることになります。日傘を選ぶ際には、できるだけ手首の負担にならないように、無理なく持てる軽い日傘を選ぶようにするのがおすすめです。
日傘は短く持つ
日傘は手元を短く持つようにしてください。日傘の手元を長く持ってしまうと、日傘と顔の距離が離れて、日傘の影が小さくなってしまいます。
そうすると、日傘が太陽光や紫外線をカバーしてくれる範囲が小さくなってしまい、より多くの太陽光や紫外線を浴びてしまいます。目安として、自分の顔と日傘のフチが約30㎝になるように意識して持ってみましょう。おそらく、思っているよりも短く日傘を持つ必要があります。
常に日傘を使用する
太陽光や紫外線を予防したい場合、出掛ける際は常に日傘を使用するように意識してください。たまに日傘を使用するだけでは、紫外線対策が十分とはいえません。しわやたるみを予防するために日傘を使用する場合はたまにではなく、外出する際には常に日傘を使用するようにするのがおすすめです。
常に持ち歩き、外出先で置き忘れなどをしないように、かばんに収納できるものや軽く持ち運びが苦痛にならないものなどの利便性を重視した日傘を使用しましょう。
日傘以外の紫外線対策も併用する
遮光率100%の日傘を使用しても、コンクリートなどからの反射光が存在するため日傘だけでは紫外線は完全に防げません。できるだけ紫外線を防ぎたい場合は、日焼け止めクリームや遮光性のあるアームカバーなどほかの紫外線対策も併用しましょう。
特に腕は、太陽の位置によっては直射日光に当たりやすい部分です。日傘をさしていたのに、腕だけ日焼けしてしまった経験がある人もいるかもしれません。
遮光率100%の日傘を使用していても、日傘だけでは油断は禁物です。
日傘の寿命は約2~3年
まだ壊れていないからと同じ日傘を何年も使用している人は多いでしょう。日傘の寿命は約2~3年です。骨組みが折れたり布地が破れていなかったとしても、その日傘はもう遮光率などが十分では無いかもしれません。
日傘の遮光性は遮光コーティングと遮光シートのどちらかが利用されている場合が多いです。どちらであっても、遮光性は永久的なものではなく、使用していくごとに少しずつその効果は低下していきます。
遮光性の効果をより長く保つのは、遮光シートを使用した日傘と言われていますが、それでも約2〜3年で寿命を迎えます。まだ使用が可能でも、遮光率がかなり落ちている可能性が考えられるので新しいものに買い替えるようにしましょう。
遮光率の高い日傘で夏対策を
この記事では遮光率とは何か、遮光率の高い日傘を正しく選ぶポイント、日傘の正しい使い方について紹介しました。遮光率とは、日傘を使用することで太陽光をどの程度遮るのかを数値化したもので遮光率が高い程、太陽光を遮ってくれます。
ただ、太陽光はコンクリートや建物からの照り返しによる反射光(紫外線を含む)もあり、こちらは日傘のみでは防げません。しっかりと紫外線などを予防したい場合は、遮光率の高さなど機能性面を重視するだけではなく日焼け止めクリームを併用するのがおすすめです。
a.s.s.aでは、デザインや機能性を重視した日傘を全国の雑貨店や公式オンラインストアにて販売しています。もちろん、折りたたみや長傘の日傘だけではなく、雨傘の取り扱いもあります。